新型コロナウイルスワクチン接種について

新型コロナウイルスワクチン接種について

はるひ呼吸器病院では、清須市民における新型コロナウイルスワクチン接種を実施しています。ご予約方法は清須市の新型コロナウイルス感染症についてのHPをご確認ください。

新型コロナウイルスワクチンについて

新型コロナウイルスmRNAワクチンについて

現在ワクチン接種の主流となっているファイザー製ワクチンとモデルナ製ワクチンはメッセンジャーRNA(mRNA)ワクチンです。SARS-CoV-2のスパイクタンパク質(ウイルスがヒトの細胞へ侵入するために必要なタンパク質)の設計図となるmRNAを脂質の膜に包んだ製剤になります。本剤を接種し、mRNAがヒトの細胞内に取り込まれると、このmRNAを基に細胞内でウイルスのスパイクタンパク質が産生され、スパイクタンパク質に対する中和抗体産生及び細胞性免疫応答が誘導されることで、SARS-CoV-2による感染症の予防ができると考えられています。

mRNAワクチンの壊れやすさについて

mRNAは、新型コロナウイルスの外側のスパイクたんぱく質の設計図になります。mRNAワクチンを接種することで、新型コロナウイルスの外側のスパイクタンパク質を産生できるようになります。このmRNAは非常に壊れやすく、取り扱いを誤ると分解してしまいます。そのため、ファイザー社のワクチンの調整には以下の厳しい条件での取り扱いをすることとされています。

  • マイナス70℃という極めて低温度の環境で保管すること
  • 室温で解凍する場合は、解凍及び希釈を 2 時間以内に行うこと
  • 冷蔵庫(2~8℃)で解凍する場合は、解凍及び希釈を 5 日以内に行うこと
  • 解凍の際は、室内照明による曝露を最小限に抑えること
  • 直射日光及び紫外線が当たらないようにすること。

SARS-CoV-2感染症におけるワクチンの接種形式の違いによる影響

SARS-CoV2による感染症、2021年3⽉から始まったワクチン接種により、⾼齢者の新規発症者は減少傾向であるものの、ブレイクスルー感染が問題となりました。この結果にワクチン接種形式による違いが影響を与えた可能性があると考え接種形式の異なる清須市と北名古屋市の第4波と第5波においてそれぞれ、70歳以上の患者数、および重症度について⽐較を行いました。
原則集団接種の清須市、個別接種を実施した北名古屋市これら二つの市の第4波と第5波においてそれぞれ、70歳以上の患者数、および重症度につき⽐較をしました。
ワクチン接種前の第4波では清須市13⼈、北名古屋市19⼈の患者が発⽣しました。そのうち清須市は8⼈が中等症以上となり北名古屋市では12 ⼈が中等症以上となりました。
ワクチン接種後の第5波では清須市は8⼈の陽性患者が確認されましたが、中等症以上は確認されませんでした。⼀⽅、北名古屋市では22⼈の陽性患者が確認され中等症以上が9⼈確認されました。
ファイザー社製のmRNAワクチンは、保管・輸送・調整・接種とそれぞれ厳しい条件での取り扱いを求められており、個別接種ではワクチンの質⾃体が低下し、効果的な抗体産⽣に⾄らなかった可能性が否定できない結果となりました。

図1:第4波70歳以上感染者数

図1:第4波70歳以上感染者数

図2:第5波70歳以上感染者数

図2:第5波70歳以上感染者数

愛知県HP(https://www.pref.aichi.jp/site/covid19-aichi/list550-1516.html)より当院にて集計

3回目接種後の抗体値について

当院でファイザー社製のmRNAワクチンの3回目ブースター接種を終えたものの対象者28名の抗体値の調査を実施しました。
男性12名、女性16名の計28名の抗体値の検査を行った結果、3回目ブースト接種前と3回目ブースト接種後は以下の結果となりました。

図3:抗体値

図3:抗体値

※当院測定28名より作成

3回目接種後に高力価陽性と十分な量の抗体がある値を超えた人は、28名中28名となり、3回目のワクチン接種により充分な抗体産生がされていることが確認できる結果となりました。

▽検査結果の判定

抗体価
(AU/mL)
判定
1.0未満 陰性
(抗体なし)

ワクチン接種をしたにもかかわらず、抗体ができた可能性が低いと考えられます。
あるいは、新型コロナウイルスに対する抗体を持っていないので、過去に感染している可能性は低いと考えます。

1.0以上 陽性
(抗体あり)

ワクチンによる抗体ができた可能性が高いと考えられます。
あるいは、新型コロナウイルスに対する抗体を持っており、過去に感染していた可能性は高いと考えます。

▽S-IgG抗体価の解釈

7.9 AU/mL以上 メッセンジャーRNAワクチン接種者91名から複数回採取した検体について中和抗体との相関を確認するためにcPass試験を行った結果、cPass陽性となり、検体中に中和活性のある抗体が含まれていることを示します。
72 AU/mL以上 高力価陽性(十分な量の抗体があることを示します。)

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